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3冠馬パラディグマがGⅠジョッキークルブ・デル・ペルーも制して文句なしのペルー王者に君臨


パラディグマ(Paradigma)
写真:Hipódromo de Monterrico / Julio Villanueva https://hipodromodemonterrico.com.pe/monterrico/noticias-ver?id_articulo=1263599

 6月25日、ペルーのモンテリーコ競馬場でGⅠジョッキークルブ・デル・ペルー(ダ2400m - 3歳以上)が行なわれた。ペルー最大の競走である。


 頭数は8頭と少ないが、国内最大の競走にふさわしい1戦となった。現ペルーの3強がこぞって出走してきた。


 3強の筆頭は3歳馬の⑦パラディグマ(Paradigma)である。2022年にペルー3冠を達成した。本来はアメリカに移籍するはずだったが、検疫で問題が見つかって移籍を断念。ペルーで現役を続行することが決まった。


☞☞☞ ペルー3冠馬パラディグマがアメリカに移籍【追記】ピロプラズマにより渡米中止

 同じく3歳馬の⑥グルック(Gluck)が対抗と目された。今年に入って重賞3連勝という上がり馬である。しかし、パラディグマとのマッチレースとなった5月28日の前走では、パラディグマに9馬身も離された2着に敗れた。大舞台で逆転を狙う。


 ④ニュルンベルク(Nuremberg)は5歳の古豪である。2020年のペルー2冠馬であり、2021年にこのレースを優勝した。ここ2戦はいずれもグルックに敗れているが、古馬の意地を見せたい。


 また、①マタラーニ(Matarani)は昨年のこのレースの勝ち馬である。2018,19年と連覇したストームロドリゴ(Storm Rodrigo)以来の連覇を狙う。



 ⑤レインボーダニー(Rainbow Danny)がハナを切った。2番手にはグルックがつけ、その後ろを③マンジュース(Manyuz)が追走した。パラディグマはやや出遅れたが、押して押して4番手を確保した。


 グルックが3コーナーで早くも逃げ馬を交わして先頭に立つと、パラディグマもそれを追って進出を開始。直線ではこの2頭の叩き合いとなり、エスビン・レケーホ騎乗のパラディグマがグルックを差し切って勝利した。良馬場の勝ちタイムは2分34秒44。


 グルックはわずか1馬身差でまたもライバルに先着を許した。グルックから2 3/4馬身差の3着には追いこんだダニーズストーリー(Danny's Story)が入った。3強の一角を占めたニュルンベルクだが、向こう正面で馬群についていけなくなり、最下位の8着に敗れた。状態が心配である。



 パラディグマは父パワーワールド、母フェリシダー、その父フランダーズフィールズという血統の3歳牡馬。2019年8月15日にペルーのサン・パブロ牧場で産まれた。


 2022年6月19日にデビューし、2戦目で初勝利をあげた。GⅠポージャ・デ・ポトリージョス、GⅠリカルド・オルティス・デ・セバージョス、GⅠデルビー・ナシオナルを勝利し、2021年のスーペルナオ(Súper Nao)に続いて2年連続でペルー3冠を達成した。


 12月18日のGⅠナシオナル・アウグスト・B・レギーアで4冠に挑んだが、芝と長距離に苦戦して11頭立ての9着と大敗した。3冠を達成したことで、2022年のペルー代表馬と最優秀3歳ダート牡馬に選出された。


 今年からアメリカに移籍する予定だった。しかし、検疫の段階でピロプラズマが見つかったため渡米は。ペルーで現役を続行することになった。


 今年は3月19日のリステッド競走で始動して6馬身差の快勝。GⅡラ・コパでは勝ち馬グルックから7 1/4馬身も離された3着に敗れたものの、前走のマッチレースを9馬身差で圧勝してここに臨んだ。通算成績は11戦7勝(重賞4勝)。


 パラディグマの今後について馬主のエルナン・ゲンベス氏は「ラティーノの選抜レースを走る可能性は否定しないが、まずは状況を分析しなければならない」と述べた。つまり、10月にアルゼンチンのサン・イシドロ競馬場で行なわれる南米選手権GⅠラティーノアメリカーノにペルー代表として出走する可能性を認めた。





Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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