• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

プエルトリコが中米選手権参加を正式に辞退



 12月にベネズエラのラ・リンコナーダ競馬場で開催されるセリエ・イピカ・デル・カリベ(中米選手権)に、プエルトリコが代表馬を送らないことが分かった。現地時間9月7日、プエルトリコ競馬連盟やプエルトリコ馬主協会などが正式に辞退を発表した。


 出場辞退の理由は「犯罪行為、裁判や法律に基づない不当逮捕、公衆衛生の欠如、誘拐、テロ行為などの危険性を理由に、アメリカ政府が国民に対してベネズエラへの渡航を警告しているため」としている。プエルトリコはアメリカの自治連邦区に属するため、アメリカの制約を受けることがある。


 昨年12月にベネズエラ系のアメリカ競馬メディア『アヘンテス 305(Agentes 305)』がプエルトリコの競馬関係者エドゥアルド・マルドナード氏にインタビューした際にも、政治的制約によりプエルトリコはベネズエラで開催される中米選手権に出場できないだろうと述べていた。


 ベネズエラの大会運営は自国開催の中米選手権を盛り上げるため、イラッド・オルティス騎手やホセ・オルティス騎手を招待しようと計画していた。しかし、今回のプエルトリコの不参加により、プエルトリコ人であるオルティス兄弟の招待も極めて難しくなっただろう。


 しかし、アメリカーベネズエラ間の政治問題による不参加という理由は矛盾を抱えている。なぜなら、スポーツを目的とする渡航の場合にはこの制約が適用されないからである。現に、今年8月にベネズエラで開催されたWBSC女子野球ワールドカップのアメリカ予選では、プエルトリコ代表チームが出場して準優勝している。つまり、政治的制約による不参加というのは表向きの理由にすぎない。


 昨年の中米選手権はプエルトリコのカマレーロ競馬場で開催された。運営はあまりにも杜撰で、距離の不備、ラシックス使用に関する不備、発走時刻の大幅遅延、イベントでの大音量による放馬、観客の馬場内侵入など、多数の規約違反があった。これらの違反でもっとも損害を受けたのがベネズエラ代表馬だった。ベネズエラの競馬関係者・ファンは SNS でプエルトリコをこれでもかと批判した。そのため、プエルトリコが不参加を決めたのは、ベネズエラ開催の中米選手権に参加することによる報復行為を危惧したためと考えるのが自然である。


 プエルトリコには2冠馬パドレポデローソ(Padre Poderoso)という有力馬がいるため、出場辞退は非常に残念である。



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木下 昂也(Koya Kinoshita)


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