• 木下 昂也(Koya Kinoshita)

"弁護士ジョッキー"がスペイン下半期最大のレースを優勝


写真:Hipódromo de La Zarzuela(@HipodromoMadrid) https://twitter.com/HipodromoMadrid/status/1449708327735373826

 弁護士になれる頭脳を持った人はごく一握りだろう。騎手になれる身体能力を持った人もごく一握りだろう。ならば、弁護士にも騎手にもなった人は、神がかり的な能力の持ち主に違いない。


 10月17日、スペインのサルスエラ競馬場でカテゴリーA競走メモリアル・ドゥケ・デ・トレード(芝2400m - 3歳以上)が行なわれた。このレースは、スペイン競馬における下半期最大の競走である。


 レースは9頭立てで争われた。昨年の覇者タランテーラ(Tarantela)に加え、今年のダービー馬ホワイトベイ(White Bay)、コパ・デ・オロの勝ち馬はザウェイオブボニー(The Way Of Bonnie)など、スペインの有力馬が出走した。


 しかし、レースはまさかの決着となった。3番手を追走したディエゴ・サラービア騎乗の①シュヴァリエキャサール(Chevalier Cathare)が、直線の入り口で先頭に立つと、1番人気ザウェイオブボニーの猛追を1馬身差しのいで優勝した。同馬の単勝オッズは20.30倍、9頭立ての7番人気という伏兵だった。勝ちタイムは2分34秒96。3着にはタランテーラが入った。


 驚くべきは単勝オッズだけではない。鞍上のディエゴ・サラービア騎手である。本業はサラービア・イ・アソシアードス(Sarabia y Asociados)というスペイン5都市に支部を持つ法律事務所に勤める弁護士でありながら、アマチュア・ライダーとして活躍する二刀流騎手である。また、『リオ・クーバス(Río Cubas)』の名義で馬主もしており、シュヴァリエキャサールは彼の所有馬である。つまり、ディエゴ・サラービア弁護士は今回、自分が所有する馬に自分が跨って、スペインのビッグレースを勝利したのである。彼はレース後のインタビューで「騎手を引退する前に夢が叶った。家族の夢であり、父親の夢でもある」と興奮気味に述べた。


「前走(6着)では調整ミスを犯した。そこから学び、ミスを修正し、今回の結果に結びついた。レースプランは練っていなかったが、ディエゴには前目につけてくれと言った。直線での馬の走りは非常に良かった。他の人にとっては驚きの結果だろうが、わたしにとってはサプライズではない」と、同馬を管理するエンリケ・レオン調教師は語った。


 シュヴァリエキャサールは父シーザムーン、母父ポリグロートという血統の5歳牡馬。2018年6月15日にフランスでデビューし、16戦3勝という成績を残した。今年7月からスペインに移籍し、移籍2戦目のコパ・デ・オロでは3着に入った。スペインではこれが初勝利である。


■ レース映像

https://www.lascarreras.com/vod/49c5ac57bdca3d2e0acad7d9a81bf5fd/play



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木下 昂也(Koya Kinoshita)

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