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芝無敗のプリンセスアルーナが異次元の末脚でGⅠインディペンデンス・カップを差し切り勝ち

 8月31日、トリニダード・トバゴのサンタ・ローサ競馬場でGⅠインディペンデンス・カップ(芝1800m - 3歳以上)が行なわれた。8月31日にはトリニダード・トバゴの独立記念日である。


 今年は6頭立てとなった。牝馬の②プリンセスアルーナ(Princess Aruna)が単勝オッズ 1/1 で1番人気に支持された。通算成績は19戦6勝で重賞未勝利と、一見すると格下の馬に思える。だが、芝コースでは4戦4勝と負けがない。


 ③クラウンプリンス(Crown Prince)は 1/2 の2番人気に推された。2022年のGⅠギニーズの勝ち馬で、その年の末にはGⅠゴールド・カップも優勝した。今年は6戦して3勝。GⅢプレジデントズ・カップを快勝するなど、調子の良さがうかがえる。


 同じく 1/2 で2番人気となったのが⑤ソカハーモニー(Soca Harmony)である。2022年にGⅠミッドサマーとGⅠトリニダード・ダービーSを優勝して2冠馬となった。今年はライバルのクラウンプリンスに苦戦しているが、大舞台で逆転なるか。



 クラウンプリンスと⑥フィニッシングタッチ(Finishing Touch)がぴったりと並んでレースを引っ張った。ソカハーモニーは3,4番手につけた。注目のプリンセスアルーナは、前とはかなり離れた後方2番手で脚を溜めた。


 直線に入ると、逃げたクラウンプリンスが粘りこみをはかった。ソカハーモニーも必死に食らいつく。実績馬2頭による決着になるかと思われた。


 しかし、トリスタン・フィリップス騎乗のプリンセスアルーナが、1頭だけ次元の違う脚で外から飛んでくると、残り50mで前の2頭を差し切って優勝した。勝ちタイムは1分52秒80。


 1 3/4馬身差の2着にはクラウンプリンスが粘った。3着にはソカハーモニーが入り、上位人気3頭での堅い決着となった。



 プリンセスアルーナは父サンヴィグール、母マーケットラリー、その父ゴールドマーケットという血統の4歳牝馬。2019年2月13日にトリニダード・トバゴのプーン・テイップ・スタッド・ファームで産まれた。


 2022年1月22日にデビューし、2戦目で初勝利をあげた。3歳時はトリニダード3冠競走を走るも、1冠目のギニーズで3着、2冠目のミッドサマーで5着、3冠目のトリニダード・ダービーで4着と結果を残せなかった。


 インディペンデンス・カップまでの通算成績は19戦6勝、重賞未勝利。実績だけを見れば格下に思えるが、芝コースでは4戦して4勝と無類の強さを見せていた。


 芝コースで行なわれたGⅠインディペンデンス・カップは彼女にとって絶好の舞台であり、驚異的な末脚を繰り出して見事に重賞初制覇をおさめた。通算成績は20戦7勝(重賞1勝)。




Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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