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インザヘッドラインズが史上13頭目、牝馬としては56年ぶり4頭目のトリニダード3冠を無敗で達成

 9月25日、トリニダード・トバゴのサンタ・ローサ競馬場でGⅠトリニダード・ダービーS(ダ2000m - 3歳カリブ産)が行なわれた。このレースはトリニダード・トバゴのダービーであり、トリニダード・トバゴ3冠競走の最終戦になっている。


 今年は6頭で争われた。


 牝馬の④インザヘッドラインズ(In The Headlines)が快挙に挑む。1冠目のGⅠギニーズ(ダ1800m - 3歳カリブ産)、2冠目のGⅠミッドサマー(ダ1900m - 3歳カリブ産)を4戦4勝と無敗で制している。ここを勝てば、史上12頭目、牝馬としては史上2頭目の3冠達成となる。





 ミッドサマーではインザヘッドラインズの2着に敗れた①ハローワールド(Hello World)、未勝利馬ながらギニーズ2着・ミッドサマー3着と踏ん張っている⑤セオリーオブカラーズ(Theory Of Colours)は大逆転なるか。



 ③リトルレディー(Little Lady)がハナを切った。⑥ハーツギャップ(Harts Gap)が2番手につけた。インザヘッドラインズは3番手に控えていたが、向正面で2頭に並びかけた。最終的に先頭集団は4頭となり、これを見るようにしてハローワールドが後方で脚を溜めた。


 3コーナーでインザヘッドラインズが早くも後続を引き離した。これに合わせてハローワールドも進出を開始。直線では、逃げるインザヘッドラインズをハローワールドが猛追したが、リコ・エルナンデス騎乗のインザヘッドラインズが最後は脚が上がりながらも、1 1/2馬身差でなんとか逃げ切った。勝ちタイムは2分10秒60。


なお、インザヘッドラインズの主戦はトリスタン・フィリップス騎手である。しかし、フィリップス騎手が怪我のため騎乗できず、今回は急遽の代役としてリコ・エルナンデス騎手が手綱を握った。無敗の3冠がかかった馬に乗るという大役を見事に果たした。


 逆転を狙ったハローワールドは猛追及ばず、1 1/2馬身差の2着に敗れた。末脚を活かせる展開と作戦は完璧だったが、相手が悪すぎた。2着から10馬身も離れた3着がセオリーオブカラーズであり、2冠目のミッドサマーとまったく同じ着順だった。



 インザヘッドラインズは父ヘッドラインニューズ、母ビーズパッション、その父プリサイススウィープという血統の3歳牝馬。2020年3月25日にトリニダード・トバゴのダイアン・スコットが生産した。


 2023年2月25日のGⅢロイヤル・カラーズ・クラシックでデビューし、これを5 1/2馬身差で快勝した。続く4月10日のGⅢチーフ・コマンダー・クラシックを3馬身差、3戦目のGⅠギニーズを7 1/4馬身差、前走のGⅠミッドサマーも5 1/4馬身差で勝利し、デビューから無傷の4連勝でトリニダード・トバゴ2冠を達成した。


 今回の勝利で通算成績は5戦5勝。2020年のワイズガイ(Wise Guy)以来となる史上13頭目の3冠を無敗で達成した。牝馬での3冠達成となると、1967年のチプチプ(Chip Chip)以来56年ぶり4頭目という快挙である。また、トリニダード・トバゴ産馬の牝馬としても1967年のチプチプ(Chip Chip)以来56年ぶり2頭目である。





 さらに、舞台がサンタ・ローサ競馬場に代わって以降、ダービーを無敗で制したのは、2016年のアカデミーアワード(Academu Award)、2018年のケープカナヴェラル(Canaveral)に続いて史上3頭目となった。




Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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