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南米王者アエロトレンが南米産馬として史上初めてサウジカップに出走




 2月26日に行なわれるGⅠサウジカップの主催者は、ウルグアイ調教馬のアエロトレン(Aero Trem)を招待したことを発表した。アエロトレンは12月6日にすでにドバイに到着しており、すべてが順調に進めばヴァグネル・レアル騎手を背に出走することを、管理するアントニオ・シントラ調教師が発表した。サウジカップに南米産馬が出走するのは史上初めてである。


「とても誇りに思う。アエロトレンは賞金総額20,000,000ドルのレースに挑む。サウジカップに出走する初めての南米馬となる」と、ウルグアイNo.1トレーナーのシントラ調教師は述べた。彼は8頭の管理馬と共にドバイ遠征を行なっており、サウジアラビアだけでなくUAEでもウルグアイ馬の勇姿が見られそうだ。


 アエロトレンに帯同しているフリオ・オラスコアーガ助手は、「アエロトレンは月曜日にドバイに到着した。ドイツを経由する2日がかりの旅程だった。普通は移動の負担によって体重を減らすものだが、彼はまったく何事もなかったかのように過ごしている。状態は素晴らしく、血液検査の結果も申し分なかった。今週末から軽い運動を始める予定である」と述べた。


 アエロトレンは父シャンハイボビー、母ピアーチェモルト、その父ギルテッドタイムという血統の6歳牡馬。2015年10月15日にブラジルのオールド・フレンズ牧場で産まれた。半兄にはブラジル重賞を3勝したフレンズオブゴールド(Friends Of Gold)がいる。


 ブラジル産馬だがウルグアイでデビューし、22戦すべてウルグアイでの出走になる。2018年にはGⅠポージャ・デ・ポトリージョスとGⅠジョッキークルブのウルグアイ2冠を達成した。その後は疝痛による緊急手術に加え、術後に腸内感染症も患ってしまい、体重が200kg近くも減った。しかし、懸命の治療でレースに復帰すると、2020年、21年とウルグアイのマイル王決定戦であるGⅠペドロ・ピニェイルーアを連覇。今年10月24日に地元マローニャス競馬場で行なわれた競馬の南米選手権GⅠラティーノアメリカーノも優勝し、見事に南米王者に輝いた。レース後、陣営から翌年のドバイ遠征が発表され、サウジカップ、ドバイWCの出走を目標にしている。


 また、サウジカップ出走が発表された同日、ウルグアイのクアトロ・ピエドラス牧場が Instagram にて、生産者による大規模なシンジケートが組まれ、アエロトレンが2022年より同牧場で種牡馬入りすることを発表した。日本に売却されたシャンハイボビーの後継種牡馬としての活躍が期待される。


■ GⅠラティーノアメリカーノ



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木下 昂也(Koya Kinoshita)

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Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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