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アメリカへの不法入国を試みたジョセンジェール・セラーノ騎手が列車から転落して両手を切断

 メキシコの日刊紙『トリブーナ(Tribuna)』が、競馬界に関する悲劇的な事故を伝えた。


 ベネズエラで騎手をしていた29歳のジョセンジェール・セラーノ騎手は、より良い生活と人生を求め、アメリカへの不法入国を目指していた。数ヶ月前にベネズエラを脱出。中米を縦断する旅に出て、ようやくメキシコに到着した。


 2月6日、セラーノ騎手は他の不法移民グループと共に、アメリカとの国境沿いに位置するメキシコ北部の町シウダー・フアレスへ向かう列車の上部(屋根)に忍びこんだ。しかし、揺れによって転落し、車両と車両の間に挟まれてしまった。


 セラーノ騎手は駆けつけた救急隊によって救助され、すぐにシウダー・フアレスにある病院に運ばれた。手術によって一命は取り留めたが、騎手の命とも言える両手を切断しなければならなかった。


 トリブーナを始めとするメキシコの報道では、事故に遭った移民の名前は明かされていない。しかし、複数のベネズエラ・メディアや、アメリカで活躍したベネズエラ人のエイバル・コア騎手が、その移民がジョセンジェール・セラーノ騎手であることを認めた。



 より良い生活を求めて中南米からアメリカに不法入国を試みる人は少なくない。とりわけ食糧不足や政情不安に苦しむベネズエラからは、ここ数年で国外に避難する人が急増している。国連難民高等弁務官事務所によると、その数は5年で6000%増、1日5000人とも言われている。


 2021年、23歳のベネズエラ人がアメリカへの不法入国を目指してメキシコから列車に乗り、転落して両足を切断するという事故があった。2022年にも、車両の屋根に隠れて乗っていたベネズエラ人の若者が転落して片足を切断している。


 セラーノ騎手が退院した後どうするかは不明である。今回の事故を報じたトリブーナによると、事故などで病院に送られた不法移民の多くが、そのままメキシコに留まってより良い生活を求めるという。



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木下 昂也(Koya Kinoshita)

【Twitter】 @koyakinoshita24

【Instagram】 @kinoshita_koya1024

【Mail】 kinoshita.koya1024@gmail.com

【HP】 https://www.keiba-latinamerica.com/

Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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