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伏兵タイムトラヴェラーがベネズエラ牡馬3冠の初戦GⅠホセ・アントニオ・パエスを勝利


タイムトラヴェラー(Time Traveler)
写真:OFICIAL INH(@OficialINH) https://twitter.com/OficialINH/status/1668003936622501888

 6月11日、ベネズエラのラ・リンコナーダ競馬場でGⅠホセ・アントニオ・パエス(ダ1600m - 3歳)が行なわれた。このレースは牡馬3冠競走の開幕戦である。


 今年は10頭で争われた。圧倒的な強さを見せ続けるリトレフラテッリ(Li Tre Fratelli)が3冠確実と見なされていた。しかし、直前の調教でまさかの骨折を発症して上半期全休となってしまったため、いっきに大混戦と化した。


 ⑩カルダーノ(Cardano)が1番人気に支持された。2月のデビュー戦を11馬身差で圧勝すると、2戦目でも3馬身差の快勝をおさめ、2戦2勝と無敗を維持している。


 2番人気には⑤ザジャッジ(The Judge)が続いた。4月のハンデ戦、5月のハンデ戦と連勝してここに挑む。


 ⑧ヴェルメーリョ(Vermelho)は2戦2勝で3月のGⅢマウリシオ・アサールを勝利した。重賞馬だが、キャリアが浅いことと、そのとき以来3ヶ月ぶりの実戦なのが懸念材料である。


 ⑥ウラカンヘスース(Huracán Jesús)は前哨戦のGⅡヒポクリトでリトレフラテッリの2着になった馬である。だが、リトレフラテッリから11馬身も離れた2着だったため、実力は未知数である。



 ②チャンピオンレガシー(Champion Legacu)が出遅れたが、その他の馬たちは横一線のスタートを切った。その中からザジャッジが抜け出てハナを切った。2番手には6頭が団子となって追走した。


 3コーナーでザジャッジに⑨タイムトラヴェラー(Time Traveler)が並びかけると、直線ではこの2頭の一騎打ちとなった。この争いをフランシスコ・ケベード騎乗の7番人気タイムトラヴェラーが制した。勝ちタイムは1分39秒00。


 3馬身差の2着には逃げたザジャッジが入った。さらに3馬身差の3着はウラカンヘスースだった。1番人気に支持されたカルダーノはまったく良いところなく9着と大敗した。




 タイムトラヴェラーは父シエテセ、母サンタビクトリア、その父ルヴォヤジュールという血統の3歳牡馬。2020年3月1日にベネズエラのウラーマ牧場で産まれた。


 2023年1月22日にデビューして5着。4月23日の2戦目も3着に敗れた。5月21日の前走でようやく初勝利をあげ、3冠競走の出走に滑りこんだ。10頭立ての7番人気という低評価を覆して見事にGⅠ勝利をおさめた。通算成績は4戦2勝(重賞1勝)。


 父のシエテセはこれが産駒のGⅠ初勝利である。生産者のウラーマ牧場は、無念の離脱を強いられたリトレフラテッリの生産牧場でもあり、エースの無念を別の馬で晴らした。


 牡馬3冠の2戦目となるGⅠクリーア・ナシオナル(ダ2000m - 3歳)は7月2日に開催予定である。


 

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木下 昂也(Koya Kinoshita)

【Twitter】 @koyakinoshita24

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【Mail】 kinoshita.koya1024@gmail.com

【HP】 https://www.keiba-latinamerica.com/

Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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