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斜行・降着・大波乱!エルグランブリセリオがGⅠフンダシオン・デ・プロピエタリオスを繰り上がり優勝


エルグランブリセリオ(El Gran Bricelio)
写真:OFICIAL INH(@OficialINH) https://twitter.com/OficialINH/status/1695906424176382404

 8月27日、ベネズエラのラ・リンコナーダ競馬場でGⅠフンダシオン・デ・プロピエタリオス・イピコス・デ・ベネスエラ(ダ2000m - 3歳以上)が行なわれた。


 今年は6頭で争われたが、レース前から勝ち馬はほとんど決まっていた。


 ベネズエラの絶対王者⑥エルデフロイス(El De Floix)が1強として出走する。昨年は中米選手権コパ・コンフラテルニダーを勝って中米古馬王者に輝いた。今年は始動戦こそ5着に敗れたものの、現在は3連勝中。近2走は圧勝劇を演じてみせた。GⅠ4勝目に向けて死角が見当たらない。


 ③ロッドヘンドリック(Rod Hendrick)は2022年のベネズエラ・ダービー馬である。アルゼンチンのトップジョッキーであるブライアン・エンリケ騎手を招待して鞍上に迎えた。


 ④グランペペ(Gran Pepe)は、2019年のベネズエラ2冠馬グランオメーロ(Gran Omero)の全弟という良血馬である。前走のGⅡではエルデフロイスから9馬身差の2着だった。逆転を狙う。



 馬群が一塊となってレースは進んだ。前から3番手を追走していたエルデフロイスが早くも3コーナーで先頭に立つと、それについていけたのは2番手にいた⑤エルグランブリセリオ(El Gran Bricelio)だけだった。


 4コーナーからはこの2頭のマッチレースとなり、フランシスコ・ケベード騎乗のエルデフロイスが、直線半ばでエルグランブリセリオを競り落として優勝した。


 かと思われた。


 レース後、エルグランブリセリオの陣営から、直線でのエルデフロイスの騎乗に関して不服申し立てが入った。パトロール映像を見ると、エルデフロイスは外から内に切れこんでエルグランブリセリオの進路を妨害しているのが分かる。


 裁決の結果、エルデフロイスは斜行によって2着降着となり、2着入線だったラリー・メヒーアス騎乗のエルグランブリセリオの繰り上がり優勝が決まった。なお、エルデフロイスに騎乗していたケベード騎手は、8月28日から9月11日まで2週間の騎乗停止となった。



 2着から6馬身差の3着にはロッドヘンドリック(Rod Hendrick)が入った。良血馬グランペペは、3着から10馬身以上も離れた4着だった。



 エルグランブリセリオは父エーピーエクセレント、母サマーラ、その父シャワフという血統の4歳牡馬。2019年3月6日にベネズエラのラ・ケブラーダ牧場で産まれた。


 2022年1月16日にデビューし、4戦目で初勝利をあげた。3歳時は8戦2勝という成績で終えた。


 今年は3月19日のハンデ戦を勝利。しかし、前走7月30日のハンデ戦では勝ち馬から10馬身差の6着と大敗した。


 今回がGⅠ初出走だったどころか、重賞競走初出走だった。繰り上がり優勝というすっきりしない形ではあるものの、大波乱を起こしてGⅠ初制覇を飾った。通算成績は11戦3勝(重賞1勝)。




Koya Kinoshita

スペイン語通訳

スペイン競馬と中南米競馬を隅々まで紹介&徹底解説する『南米競馬情報局』の運営者です。

全国通訳案内士というスペイン語の国家資格を所持しています。

東京在住のインドア派。モスバーガーとミスタードーナツが好きです。

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